チアガールになった俺―プライドをリボンで縛られて

俺は男子バスケ部のキャプテンとしてチームメイトたちを引っ張ってきた。
誇りも自信も誰にも負けないつもりだった。同じ学校の女子バスケ部のキャプテンとはいつも火花を散らしていたのも、そのプライドの裏返しだ。

うちのバスケ部には古くからの伝統がある。月に一度、男子と女子、それぞれのキャプテン同士が1 on 1をやるというものだ。俺は男子であり、体格も筋力も明らかに上。いつだって結果は見えている。だから正直、こんなのは形式的な余興にすぎないと思っていた。

「負けた方が、相手の応援でチアガールをやる」

女子のキャプテンが、口元に自信ありげな笑みを浮かべてそう言った。馬鹿げた提案だと思った。過去に一度も俺に勝てたことがないくせに、そんな条件をわざわざ自分で持ち出すなんて――。

そのときの俺は、慢心に囚われていた。
「どうせ勝つんだから」と、疑うことすらしなかったのだ。

だが、始まってすぐに違和感が押し寄せる。
彼女のドリブルは以前とは別物だった。低い姿勢でボールを変則的にボールをさばき、切れ込むと見せかけて一瞬で方向を変える。俺の長い腕を「すり抜ける」ようにいなし、気づけばゴール下に入り込まれていた。
そのまま打ったシュートはボードを経由して綺麗にリングを通る。

汗が額を「つーっ」と流れる。
焦れば焦るほど、足がもつれる。こちらのシュートはことごとく叩き落とされ、体力はどんどん削られていく。

「どうしたの、いつもと全然違うじゃん」
挑発的な声に、心臓が「ドクン」と跳ねた。苛立ちと同時に、どこかで敗北の予感がじわじわと広がっていく。

最後の1本を決められた瞬間、俺は膝に手をつき、呼吸を「はぁっ、はぁっ」と荒げたまま立ち尽くしていた。

――結果は、圧倒的大敗。
プライドを踏みにじられる。

ここで初めて俺は悟ったのだ。
これはただの遊びじゃない。仕組まれていた“罠”だ、と。
彼女はこの数か月、わざと俺に負けていたのだ。俺に格下だと思わせる為。俺のプライドをへし折る為……。

試合後、汗に濡れたユニフォームのまま連れ込まれた部室で、差し出されたのは女子のチア衣装。パッド入りブラ、光沢のあるショーツ、そして眩しいほどのミニスカート。拒む間もなく着せ替えられ、ウィッグをかぶせられる。首筋に柔らかな毛先が触れて、背筋が震えた。

鏡の前で、唇に甘いグロスを塗られる。ほのかに香るコスメの匂いが鼻をかすめ、呼吸が浅くなる。頬にメイクブラシが走り、まつ毛が強調されていく。気づけば、俺の顔は完全に女の子になっていた。

「ふふっ、似合ってるよ!」
「可愛い可愛い!」
女子たちの含み笑い混じりの声に、耳の奥まで真っ赤になる。けれど胸の奥に、羞恥とは別の「じわっ」とした熱が広がっていた。

応援席に立つと、観客の視線が一斉に集まった。ポンポンを振り、スカートが舞うたび、太ももがあらわになる。観衆のざわめきに心臓がドクン、ドクンと鳴り止まず、胸元のパッドが揺れるたびに、自分が女である錯覚が濃くなっていった。

その姿はあっという間に校内中へ広まった。女バスのキャプテンはとんでもない条件を提示してきた。

【この女装姿をSNSを通して全世界に発信させられたくなかったら、学校でも女装する事】

次の日から俺は「女子」として過ごさざるを得なくなった。
セーラー服を着せられ、胸元のリボンを結び、スカートに足を通す。その軽やかさに心が落ち着かない。

教室に入るとクラスの女子たちが、俺が自ら好んで女装をしているかの様に接してくる。

「髪、もっと後ろで結んだ方が似合うよ」
「爪も定期的にお手入れした方がいいよ!女の子だもんね」
そう笑いかけられるたび、俺の中のプライドはかき乱される。……のに、同時に胸の奥がじんと温かくなる。俺は否定するどころか、彼女たちの手で髪を結ばれたり、スカートの裾を整えられることを受け入れてしまっていた。

「これは罰だ、仕方ないんだ」
そう心に言い聞かせても、内心では違う感覚が芽生えていた。リボンを高めの位置で結び、ツインテールを揺らすと、胸の奥が甘く痺れる。

「……俺は、もともとこうなりたかったのか?」
そんな錯覚が、プライドを蝕むように忍び込む。恥ずかしさと快感が混ざり合う。制服姿の自分を鏡で見つめるたび、知らず知らずのうちに笑みが浮かんでしまう。

「……これが俺の“本当の姿”なんだろうか」

――もう、後戻りはできないのかもしれない。


FANBOXでは週3回、新作をお届けしています

イラスト挿絵付きの連載作品を、週3回のペースで更新中です。
皆さまのご支援が大きな励みとなり、創作を続ける力になります。
ぜひFANBOXでの応援をよろしくお願いいたします!

FANBOX

Pixivでも作品を公開しています

文字コラ画像や、FANBOX投稿作品の冒頭部分を公開中です。

Pixiv

【強制女装・FANZA同人】男の子なのに、女の子の快感…?

「こんな格好させられて…イヤなのに…♡」
無理やり女の子にされていく姿がたまらない!
強制女装好きの方に刺さる、背徳感MAXな同人コミック10選をご紹介中♡

タイトルとURLをコピーしました