女体化香 -僕をオンナに変えた煙-

甘く淫靡なお香

最近、仕事のストレスが酷い。

今日も終電。帰って寝るだけの部屋に戻って、スーツを脱ぎ捨てた。

そんなとき、ふと思い出す。数日前、雑貨屋で気まぐれに買ったお香のことを。

「たしか…“白蓮女香”とか書いてあったな。女って字が入ってるなんて、珍しいなって思ってたけど…」

箱を開けると、ふわりと甘くて艶やかな香りが立ちのぼる。ジャスミンとムスクを混ぜたような、けれどどこか……淫靡な匂い。

「寝る前にちょっと試してみるだけだし…」

火をつけて、ベッドに寝転んだ。

煙が部屋を満たしていく。鼻から深く吸い込むと、体の力が抜けていく。

「ああ……いい匂い……」

まぶたが重くなる。意識が遠のく。

夢か現実か、わからないまま、なぜか体の内側がぽかぽかしていた。

熱い。

むず痒い。

胸が———脈打ってる?

「っ……はぁ……ん……? な、にこれ……っ」

パジャマの中で、なにかが膨らんでいる。

自分の胸に、ぷにっとした感触。手で揉むと、びくっと背筋が震える。

「え……っ、なにこれ……おっぱい……? え、いや、え? 僕、男……だよね……?」

指が吸いつく。つい、揉んでしまう。

甘い吐息が漏れる。

胸の下には、くびれができていて、尻もなんだか……丸い。太もももムチムチだ。

「っは……やだ……腰が……うごく……止まんない……!」

頭がぼーっとして、脳がトロけそうだ。

脚の間にあったはずの“何か”が、熱だけ残してなくなっている。

「うそ……っ、アソコが……なくなって……えっ、え、待って、これ……女に……?」

鏡の前に立つ。

そこには、前髪が切り揃えられ、長いまつげにとろけた表情をした女がいた。

パジャマの前がはち切れそう。

Fカップはありそうな巨乳が、寝巻きを持ち上げて谷間を見せていた。

「……は? ……え、これ……僕……?」

艶っぽい声が自分の口から漏れる。

お香は、もう燃え尽きていた。

だけど香りはまだ部屋を漂っている。

「どうしよう……男に戻れるのかな………?」

胸をなぞるたび、下腹部がキュンと疼いて、思考がまとまらない。

ただひとつ、確かなのは———

「もう……僕、オンナになっちゃったんだ……♡」


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催淫効果

鏡の中の“彼女”は、さっきよりももっと艶っぽくなっていた。
潤んだ瞳、上気した頬、ぽってりと濡れた唇。
見慣れたはずの部屋に立っているのに、その存在だけが異質だった。

「ほんとに……これ、僕なの……?」

首をかしげる仕草すら、女らしくて。
小さなため息も、まるで男を誘うような甘さを帯びている。

パジャマの前をそっとはだけてみる。
ふわりとこぼれ落ちる、形のいい大きな胸。
指をそっと沿わせると、ぴくんと震えて乳首が立った。

「やだ……触っただけで……変な声、出ちゃ……っ」

昼間にスーツ姿で働いていたとは思えない。
今の僕は——どう見ても、“女”だった。

しかも、ただの女じゃない。
自分で言うのも変だけど、いやらしいほど色っぽい体つきだ。

「胸……柔らかすぎ……これ……揉むと……っ♡」

指先が勝手に動いていく。
むにゅ、むにゅ……と胸を揉みしだくと、奥の方がじんわり熱くなる。

「んっ……なんか……お腹の奥がキュッてなる……」

そのまま手を下へ……下腹部。
脚の間にあった“それ”はもう、完全に消えていた。
代わりに、濡れてとろけた柔らかい部分が——

「うそ……入ってる……♡ 僕、ホントに……女になってる……!」

そっと指をあてがうと、じゅぷ……と吸い込まれるように入っていく。
ぐちゅ、ぬちゅ、ぴちゃっ……

いやらしい音が、静かな部屋に響く。
さっきまで男だったとは思えないほど、快感に敏感になっていた。

「っはぁ……♡ これ、やばい……止まんない……!」

腰が勝手に動く。
指を抜いてはまた入れて、奥をかき混ぜるたびに、足先まで痺れるような快感が駆け抜ける。

「こ、こんなの……女の身体って……ずるい……っ♡」

脚を開いたまま、ベッドに倒れこむ。
腰をくねらせながら、自分の体を慰め続ける。
乳首をつねりながら、もう片方の手で奥を責めると———

「やだ……イッちゃう……女の体で……イクぅ……♡」

ビク、ビクッと身体が跳ねた。
絶頂の波が何度も押し寄せて、白い光に包まれる。

それは、男だった頃に味わった快感とはまったく違う。
もっと深くて、溶けてしまいそうで、抜け出せないほど甘い快楽だった。

──気がつけば、床に落ちた香の箱。
その裏には、小さな文字でこう書かれていた。

「白蓮女香」は、一度使用した時点で身体構造の変化が発生します。
※ 変化は不可逆であり、性別を元に戻す事はできません。
※ 使用者の脳に女性ホルモンの分泌指令が常時発生します。快楽への感度が上昇するため、自己制御が困難となる場合があります。

「そ、そんなの……聞いてないよ……でも……」

指先に残る、自分の蜜。
ピンク色に染まった指が、信じられないくらい淫らで、綺麗だった。

「戻れない……じゃなくて……戻りたくないのかも……♡」

再び胸に手を伸ばす。
腰がまた疼き始める。

香りが染みついたこの部屋で、僕はまた、オンナとしての快感を求めてしまう。

“彼女”になった僕は、その夜、何度も自分を壊した。

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