ネットで買った下着、僕が女に変わった日

好奇心が招いた“女体化”の罠

「……本当に届いちゃったよ」

思わずそう呟いてしまうほど、段ボールの中身は思っていたより本格的だった。

レースの縁取りが繊細に揺れる水色のブラとショーツのセット。SNSでなぜかおすすめにあがってきた、その下着の広告。“男性の方でも安心してお使い頂けます”とかいう謎のコピーに興味をひかれ、深夜のテンションのまま、購入ボタンを押してしまった。バレないようにコンビニ受け取りにして、今日こっそり受け取ってきた。

(まぁ、誰にも見られなきゃ、ちょっとくらいいいよな)

一人暮らしの自室。カーテンは閉め切り、部屋のドアには鍵もかけた。ベッドの上にブラとショーツを並べ、しばらく眺めてから、そっと手を伸ばす。

指先に伝わる、つるつるでふわふわの感触。男物のボクサーパンツとはまるで違う、生地の薄さと華奢さに戸惑いながらも――僕は服を脱ぎ捨て、ショーツに足を通した。

キュッ、とお尻を包み込む感触。ぴったりすぎて、なんだか妙にそわそわする。続けてブラも装着。肩にストラップをかけて、背中でフックを止めるのに手間取ったけれど、なんとか完了。

「……っ、すご……」

鏡に映る自分は、まだ“男”のはずなのに、水色の可愛らしい下着をつけているだけで、どこか女の子っぽく見える。不思議な高揚感に、心臓がどくどくと跳ねる。

(これ、女子は毎日こんな感触に包まれてるのか……)

そんなことをぼんやり考えていたとき、唐突に――背中からゾクッと寒気が走った。

「……ん、あれ……?」

視界が少しぼやける。足元がふらついて、思わず壁に手をつく。腹の奥で、何かがじわじわと動いているような、奇妙な違和感。

(な、なんかヤバい……?)

バランスを崩して、ベッドに尻もちをついた。その瞬間――

ブラのストラップがわずかに肩に食い込んだ。

「えっ……?」

胸のあたりに、妙な圧迫感。見下ろすと、さっきまではペタンコだったカップが、わずかにふくらんでいる。信じられない思いで、ブラの中に指を差し込む。

「う、うそ……柔らか……なんで?…」

肌の内側で膨らみがじんわりと広がっていく。しかも、どこか敏感な感覚まで一緒に芽生えてくる。呼吸するたび、ブラの内側で“何か”がぷるぷると揺れた。

慌てて鏡を覗き込むと、変化はそこだけじゃなかった。

顔が少しずつ丸く、可愛らしくなっていく。頬はふわっと柔らかく、まつげは長く、唇はうっすらとピンクに色づいていた。

「な、なんだこれ……!? わ、わけが……」

恐怖と混乱、そして羞恥が一気に押し寄せる。震える手でショーツに触れた瞬間――下腹部に異変を感じた。

(え……? ない、のか……?)

水色のショーツの中には、さっきまで“確かにあったもの”が消えていた。代わりに、肌が吸い付くような、温かいくぼみがそこにある。

「うそ……うそだ……!」

僕は全身を鏡で確認した。もうどこにも“男だった自分”の面影はなかった。

そこにいたのは、水色の下着に包まれた、女の子の姿をした僕。華奢で白い肩、丸くて柔らかそうな太もも、胸元ではブラのカップがふっくらと揺れている。

「やだ……なんで……女になって……」

声も完全に高く、可愛らしくなっていた。思わずその場にへたり込み、両腕で身体を抱え込む。けれど、腕に当たる自分の胸が、あまりにもリアルすぎて――。

下着越しに感じる温もり、締め付け、そして布の摩擦。それがどこか気持ちよくて、身体の奥がじわりと熱くなる。

(やだ……こんな身体になって、感じてるなんて……)

恥ずかしい。信じられない。けど――止まらない。

「ど、どうしよう……元に戻れるの、かな……」

誰にも見せられないこの姿。鏡越しに写った“僕”の姿は……

――意外と、かわいい。

そんなことを思ってしまった瞬間、背筋がゾクリと震えた。さっきまで男だったくせに、水色の下着がこんなに似合ってしまうなんて――

僕は、どうなっちゃうんだろう。


男に戻りたいはずなのに、指が止まらない

「な、なんで……こんなに……っ」

指先に感じる、信じられないほど繊細で濡れやすい感覚。
水色のショーツの上から、そっとなぞっただけで、女になった僕の身体はピクリと跳ねて反応した。

ブラの中では、さっきまでなかった胸が呼吸に合わせてぷるんと揺れる。
太ももに張りつく下着の感触が、やけに生々しくて……気持ちいい。

「ちがう、ちがう……これは僕じゃない……っ」

そんなことを思いながら、僕は鏡の前でしゃがみ込んでいた。
細くなった指。くびれた腰。
何より、ショーツの奥――もう男だったはずの“それ”が、跡形もなく消えている。

自分の身体を、自分でまさぐって、感じて……
しかも“女”として快感を得てしまっている。

「う……はぁっ、だ、めだ……っ」

言葉にならない吐息が、喉の奥から漏れた。
熱が込み上げる。まるで下腹部に心臓があるみたいに、ズクン、ズクンと脈打っている。

汗ばむ指先が、ショーツの布越しにそこを押し上げたとき――
ビリッ、と神経が弾けるような感覚が走り、腰が勝手に跳ねた。

「いっ……あっ、や、あぁぁっ……!」

快感が一気に襲いかかってきて、視界がぐにゃりと歪む。
太ももが震え、ブラの中の胸がぷるぷると揺れる。
何がどうなっているのか分からない。でも――止まらなかった。

ただ、触れて、揺れて、感じて、喘いで……
自分が、自分じゃないみたいに。

──でもそのとき、ふと我に返った。

(やばい……何してんだ……っ)

僕は、男だった。
これは、一時的な異変のはず。
そう、自分に言い聞かせながら、震える手でブラのストラップに指をかける。

「脱げば……脱げば元に戻る……」

パチン、とフックを外し、水色のブラが床に落ちた。
柔らかくなった胸がふるんと揺れ、冷たい空気に震える。

続けて、ショーツもゆっくりと下ろしていく。
くっきりと形をなした女の身体。そこを確認した瞬間、背中に冷や汗が伝った。

「……戻ってない……っ」

何も、変わっていない。
焦ってもう一度ブラを手に取って、元々着ていた服をかき集めるように着直す。
でも、服は合わなくなっていて、Tシャツは胸の先端をピタリと強調し、ショートパンツは太ももでつっかえて入らない。

「なんで、なんで戻らないの……?脱いだのに……っ」

このままじゃ誰にも会えない。外に出られない。
こんな姿、もし見られたら……!

(いや、それより……明日、学校……!?)

頭の中が真っ白になる。
誰かに相談する? でも、こんな姿を見せられるわけがない。
まさか、病院に行く?……こんな女の身体のまま?

「ちがう……僕は男なんだ……戻らなきゃ、戻さなきゃ……!」

僕は部屋の中を必死で歩き回った。スマホを手に取り、原因を検索しようとするが、指が震えて文字入力もままならない。

そのとき――スマホが、ピロンと通知音を鳴らした。

見覚えのないアプリが、勝手にインストールされている。

【Lingerie Lesson Lv.1:あなたの“女の子力”が上がりました♡】

「……は?」

アプリの画面には、可愛いキャラがウィンクしていた。

そして、次の表示。

【次のレッスン:メイクアップ体験♡ 準備が整ったら“OK”を押してね!】

「ちょっと待て……勝手に……っ、これ、何だよ……!!」


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