フリル・リボン
金曜日。1週間の仕事が終わり、彼女の家で宅飲みをしながらまったりとしていた。夜も深まり、酔いもだいぶ回ってきた頃--。
「一回でいいから完璧な女装して可愛い服を着てみたいなぁー」
酔った勢いでつい口をついた。言ったそばから、やべ、と思う。冗談半分、お酒のせい。そういうことにしておけばよかったのに、目の前の彼女はそれを聞き逃さなかった。
「……ほんとに?」
彼女はソファから立ち上がり、寝室へと消える。何か探しているらしく、クローゼットの奥をガサゴソと漁る音がする。しばらくして戻ってきた彼女の手には、ふわりと膨らんだ黒のワンピースがあった。
「え?」
思わず声が漏れる。落ち着いた色に、フロントの編み上げ。ふんだんにフリルがあしらわれ、見るからに甘く、少女らしい。
「それロリィタ?、好きなの?」
「うん。でもね、これはね、あなたに似合うと思って買ったの」
息が詰まる。何も言えない俺を見て、彼女は優しく笑った。
「ねえ、着てみようよ?目を瞑って!」
気づけば、俺は鏡の前に立っていた。ワンピースを着せられ、ふわふわのパニエを履かされ、ピンクのリボンを巻かれる。彼女の手際は鮮やかで、抵抗する間もない。
「ほら、じっとして」
彼女の指先が俺の頬を撫でる。ファンデーション、アイシャドウ、まつ毛にマスカラ。目元がくるんと大きくなる。ふんわりピンクのチークが乗せられ、唇にはツヤのあるグロス。
「お待たせ!目を開けていいよ!」
鏡に映ったのは、知らない俺だった。
黒のワンピースに包まれた身体。くびれたウェストラインからふわりと広がるスカート。ゆるく巻かれたウィッグが肩にかかり、少女のような顔がそこにあった。

「……すごいね」
小さな声で呟いた。指先がスカートの裾をつまむ。柔らかくて、ふわふわしている。
「可愛い…」
彼女が囁く。
「似合ってるよ」
そう言われると、なぜだろう。嬉しくて、恥ずかしくて、胸が熱くなる。
「歩いてみて」
スカートが揺れる。レースの裾がふわりと広がる。ぎこちない足取りでくるりと回ると、ふんわりとした生地が舞い上がる。
心がざわつく。
俺は今、何をしているんだろう。端から見たら異質かもしれない…。それなのに、こんなにも――
「ねえ、明日、一緒にお出かけしない?」
彼女の言葉に、心臓が跳ねた。
「この格好で……?」
「うん。二人でロリィタデートしよ?」
喉が鳴る。冗談だろ、と思う。でも彼女の目は本気だった。
金曜の夜、俺はロリィタに包まれ、知らなかった自分に出会った。
そして、土曜日
「起きて」
まどろむ意識の中、頬を撫でる柔らかな指先を感じた。
「……ん」
ゆっくりと目を開けると、彼女が覗き込んでいた。笑顔がやけにまぶしい。
「あのね、今日のコーデ、決めてあるから」
そう言って、彼女が見せたのは、昨夜と同じようなふわりとしたジャンパースカート。でも、今度は二着。淡いピンクの甘い”ジャンスカ”と、可愛らしい白いブラウスが、ハンガーにかけられて並んでいる。
「お揃い?」
「うん、双子コーデしたくて、最初から二着買ってたの」
昨夜のワンピースが「俺にも似合うと思って」だったなら、これは最初から「一緒に着るため」に用意されていたってことか。
「……本気?」
「もちろん本気」
彼女はにっこりと微笑む。
逃げ道はなかった。
メイクをされるのは二度目のはずなのに、やっぱり慣れない。だけど、昨夜よりもずっと丁寧に、細かく仕上げられていくのがわかった。
「今日のは、長時間崩れにくいやつね」
「……本格的だね」
「だって、お出かけだもん!」
アイシャドウの色はワンピースに合わせてピンクベージュ。まつ毛を丁寧にカールさせられ、ふわっとしたチークが乗せられる。
鏡に映ったのは、昨夜よりももっと可愛くなった「俺」だった。
「やっぱり可愛いね!」
彼女が満足そうに頷く。
―――街へ出ると、視線が刺さるように感じた。
いや、実際に刺さってるのかもしれない。でも、彼女と並んで歩いていると、それも不思議と気にならなくなっていく。
「ねえ、ここのリップ気になってたんだ」
化粧品コーナーでは、俺の顔に色を合わせながら、彼女がどんどん新しいリップを試させてくる。
「んー、もう少しピンク強めがいいかな?」
「ど、どれも同じに見えるけど……」
「全然違うよ?」
笑いながら、俺の唇に優しく色をのせていく。
――次に入ったのはロリィタファッションの専門店。
「わあ、これ可愛い!」
彼女は目を輝かせながら、フリルのたっぷりついたワンピースや、レースのカチューシャを手に取る。
俺も……自然と、指先がふわりとしたスカートに触れていた。
「ねえ、これとか似合いそう」
彼女が差し出したワンピースを見つめる。
「……試着してみる?」
「え…?」
「せっかくだし着ようよ!今よりももっとロリィタの事、好きになって欲しいし!」
彼女は嬉しそうに話す。
気づけば、俺は試着室の中にいた。
鏡の前でワンピースのリボンを結ぶ。
まるで、本当に「女の子」になっていくみたいだ――。
カフェに入ると、ふんわりと甘い香りが鼻をくすぐった。
「ここのスイーツ、ずっと気になってたの!」
彼女が嬉しそうにメニューを開く。
「……なんか、夢みたいだな」
「夢みたい?」

「こんな格好で、普通にデートして……なんか、不思議」
「ふふ、じゃあ、夢の続きをこれからも楽しもうね?」
そう言って、彼女が頼んだのは、ピンク色のショートケーキ。
俺は……ブルーベリーのタルトを選んだ。
フォークを口に運ぶ。
甘い。
幸せな甘さが、じんわりと広がる。
「ねえ」
彼女がぽつりと呟いた。
「可愛いの、好きになってきた?」
ドキッとする。
「そ、それは……」
「ふふ。答えなくても、わかるよ」
彼女が優しく微笑んだ…。
女の子同士
カフェを出ると、午後の陽ざしがほんのりと街を染めていた。
「ねえ、次……プリクラ、撮らない?」
突然の提案に、思わず足が止まる。
「プリクラ……?」
「うん。今の私たち、とっても可愛いでしょ?記念に撮りたいなって」
ふたり並んで、ピンクのワンピースに身を包んで、メイクもばっちりで。
確かに“今”の俺は、どう見ても女の子――に、見えるかもしれない。けど……
「……男は入れないんじゃ……?」
「平気だよ。見た目で判断されるから。ね?大丈夫だから、行こ?」
彼女に手を引かれ、思わずうなずいてしまった。
ゲームセンターの奥、プリクラコーナーのカーテンの向こう側には、すでに女子たちの笑い声が響いていた。
場違いな場所に足を踏み入れると、心臓がバクバクと脈打つ。
「緊張してる?」

「そりゃするよ……」
「ふふ、大丈夫。ちゃんと女の子に見えるから」
彼女はプリクラの前に立ち、にっこり笑って手を差し出した。
「じゃあ、行こっか。可愛く撮ろうね!」
カウントダウンが始まる。
3、2、1……パシャ!
ハートのポーズ、優しく抱き合うポーズ、ふたりで両手で作った大きなハート――
次々にポーズをとるたび、恥ずかしくて死にそうになるのに、シャッターが切られると妙にテンションが上がっていく。
画面に映る自分の顔は、まるで別人みたいだった。
目は大きく、肌はつるんとしていて、口元には自然な笑みが浮かんでいる。
――これが、俺?
「加工ってすごいな……」
「ううん、これは“素”が可愛いからだよ」
彼女のささやきが耳に残る。
撮影が終わると、画面にデコレーション画面が表示された。
「こういうのって名前とか書いたりするの?」
「んー、今はあまりしないかな?加工の微調整とかが多いかも……よしっ!……ふふ、いい感じ!」
プリクラが印刷される音を聞きながら、俺はぼうっと、さっきの画面を思い出していた。
まるで、自分じゃないみたいだった。
でも……嫌じゃなかった。
「ねえ、見て!」
彼女が手渡してくれたプリクラは、4枚にカットされていて、どれもほんのり明るいフィルターがかかっていた。
ふたりで笑っている写真。
少し照れている俺の顔。
自然と、指先が震えた。
「これ……もらってもいい?」
「もちろん。でもね……こっちはもう、SNSに載せちゃった」
「えっ……?」
彼女がスマホの画面を見せてくる。
そこには――俺と彼女の双子コーデのプリクラが、しっかりとアップされていた。
【#双子コーデ】【#今日のデート】【#ロリィタ好きな人と繋がりたい】
タグとともに、数分のうちに“いいね”がどんどん増えていく。
「ちょ、ちょっと!勝手に――」
「だって、可愛いんだもん。みんなに見せたくなるじゃん」
彼女は無邪気に笑う。
でも俺の胸の奥は、ざわざわと騒がしかった。
これ……“俺”が全世界に、晒されてるってことだよな?
微炭酸みたいに、弾けるような高揚感と、不安…。
心の奥が、静かに泡立っていた。
2人の関係
あれから――
俺のクローゼットは、ほとんど彼女と共有になった。
スカートやブラウス、カーディガン、ふわっとしたシフォンのワンピース。
もともと彼女が選んだ服が多かったけど、今は自分でレースの透け感やリボンの位置にこだわって選ぶようになっている。
気づけば、男物の服は引き出しの奥に追いやられ、アクセサリーケースにはピアスやチョーカーがずらりと並んでいた。
週末になると、彼女が「今日のテーマね」とコーデを決めてくれる。
最近のお気に入りは、“大人ロリィタ”。
少し露出のある肩見せブラウスに、ハイウエストのスカート。
下着も、女の子用のレースのブラとショーツに変わった。彼女が「こっちの方がラインがきれいに出るよ」と選んでくれたものだ。
――メイクをして、ウィッグをつけ、香水を首元にひと吹き。
鏡の前の“俺”は、もう完全に「女の子」に見える。
いや、最近は“見える”だけじゃ物足りなくなってきた。
肌の白さや毛の薄さ、バストラインや骨盤の丸み。
「女の子っぽく」なりたくて、スキンケアを徹底し、胸を少しでも膨らませようとバストアップサプリを飲み始めた。
初めは冗談半分だったけど、鏡の前で服の上から胸を撫でてみると、確かに少しだけ、膨らんできた気がする。
「本当に変わっちゃうかもね」
彼女はそう言って、悪戯っぽく笑った。
そんなある日、俺の部屋に彼女が泊まりに来た夜のこと――
「ねえ、今日もあの下着つけてる?」
「えっ……う、うん」

「見せて」
小さな声で言われて、動けなくなった。
彼女の指が、そっと俺のスカートの裾を持ち上げる。
白のレースのショーツに、レースのブラ。
身体にぴったりフィットしていて、心なしか息が浅くなる。
「ね、こんなに可愛いの着てるんだもん……」
彼女はゆっくりとブラの肩紐を下ろし、唇で胸元にキスを落とした。
「もう男の子じゃなくても、いいよね?」
耳元で囁かれるその声に、背筋が震える。
でも――抗えない。
彼女の指先が、下着の上から優しく触れてくる。
女の子の格好をしたまま、ゆっくりと、優しく、敏感なところをなぞられて……
声を漏らしそうになるのを、唇を噛んで必死に堪える。
「可愛い声、出ちゃいそう?」
「だ、だめ……」
「でも……こんなに気持ちよさそうにしてるのに?」
そっとショーツがずらされ、触れられた瞬間――
男としてのプライドなんて、とっくに消えていた。
まるで、俺は女の子に抱かれているような錯覚。
彼女の手つきは慣れていて、でもどこか優しくて、恥ずかしいほど心地よかった。
「あんっ……!」
声が漏れた。
女の子みたいな、甲高い声だった。
「ね、今日から“女の子”として、可愛がってあげる」
彼女のその言葉に、俺の意識はとろけていった――。
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